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#59 清掃道具
一人の絵描きがいる、広島に住むその絵描きが描くモチーフの一つに清掃道具がある……
トマホークスの日々に欠かす事の出来ない物、それもまた清掃道具である。
民泊清掃や美装作業に向かう時には、キッチンやリビングや床、トイレやお風呂等、それぞれの箇所に必要な道具を手に持ち、カゴに揃え現場に向かう。何か一つ足りないだけでも作業が滞ってしまう事もある。
手の届かない所の汚れも、なかなか落ちない汚れも、道具を上手に使う事によりキレイにする事が出来る。
いわば清掃道具は僕たちの相棒なのだ……
その絵描きの仕事は清掃員。今は引退しているので元清掃員となるが僕たちの先輩だ。
一見、何においても不器用そうに見える風貌のその絵描きは何十年と清掃員として働く中で、身近な存在であった雑巾やモップやデッキブラシを描き始め、そして描き続けた。
その雑巾やモップやデッキブラシの絵には華やかな彩りは無く、無骨な一つの道具としてキャンバスに描き出されている。
僕は思う、この絵描きは清掃道具を描く事によって自画像を描いていたのではないのかと……
朝起きて、歯を磨き、出勤し、みんなに『おはよう』と声を掛けると目に映る清掃道具達。
今日も一日みんなの相棒として、どうぞよろしく。